三夜連続放映 ~第二夜~
前回のあらすじ
「アメリカで挨拶に失敗した」
アメリカでの大いなる野望に破れ、リスを追いかけ回していた自分・・・。
部屋に戻り、シャワーを浴びてスッキリしたつもりなのに、何故かスッキリしない。
おかしい。これは何かおかしい。
そして午後、悲劇は起こったのである。
三夜連続放映第二夜 Attack the routed enemy (追い討ち)
寒気が止まらないのだ。
周りはみんな半袖なのにも関わらず。
そのうちそれは吐き気に変わった。
気持ち悪い。寒い。死にそう。
熱がでた。
そ、そんな!俺の侍スピリッツはそこまでダメージをうけていたのか!!
受け止めがたい現実・・・ しかし病気は止まらない。
ホテルに帰った瞬間にベッドに入るも、気持ちが悪いので中々寝付けない。
そして翌日。
父親は決断を下した。
「置いて行こう」
置いてかれた。
ただし、病状が病状だけに、ひとまず医者に見せてから行こうということになった。
父親が医者を呼ぶ。
普通なら旅の最中留守番なんぞ死んでもお断りなのだが、その時だけは「行ったら逝く」と思うくらいにやばかったので、納得した。
しばらくして、
「ブビーっ!!」
とアメリカちっくなチャイムがなる。
ドアが「キィ・・」と開いた。
そこから入ってきたのは60ぐらいのじいさん。
髪の毛は額がやや後退しているが、全体が真っ白。身長は170cmくらい、黒いコートに黒のズボン。
顔はしわくちゃだがかなりいかめしい。
死にそうな自分はリビングの椅子に腰掛けており、家族はその周りで緊張の面持ちで自分とじーさんを見ている。
こ、このシチュエーションは・・・
頭の中にあの物悲しい暗い旋律が流れる・・・
そう、映画「エクソシスト」の悪魔払いのシーンにそっくりなのだ。
こ、こええぇ。。。
ぼんやりする目だと余計じいさんが恐ろしくみえる。
じいさんはゆっくりこっちに近づいてきて、
「どかっ!」
「びくっ」(自分)
手にした使い古しの黒い鞄をテーブルに置くと、
「あべばひびばんびばぺらぺーら」
・・・わかんねっつの!!
父親が必死に俺の病状を説明するが(父親は話せる)、それでもじーさんは納得しない。
・・・な、何しにいらっしゃったんで?
と、おもむろにじーさんは
「んびば!んばらべーら。」
と受話器をとり、英語の話せる日本人看護婦を電話で呼びつけ、受話器を自分に渡す。
看護婦さんによると、この先生は患者から直接聞かねばすまない先生らしい。
空気よめよ!俺死にそうだっつの!!
無論当時は思っても言う気力もなく、とにかく早く楽になりたい(逝きたいわけではない)一心で、とにかくじーさんの言うとおり、看護婦さんに説明し、診察をうけた、
しかし先生、手が自分以上に震えてらっしゃる。
聴診器をあて云々の一通りの診察をしたのち、奴は鞄から袋に入った注射器を取り出した。
受話器の向こうから看護婦が、
「先生は注射しかないとおっしゃっています。指示に従ってください。」
と言ってきた。
そんなにやばいのかと逆に心配になるが、まぁ注射打てば治るだろうと腹をくくって腕をまくる。
しかし奴は、
「んびゃら!んびゃら!!」
と寝室をさす。
・・・嫌な予感がした。
しかたなく寝室へいくと、今度は、
「んびゃー!んびゃー!」
とズボンを下げるジェスチャーをする。
・・・予感が的中した。どうやら奴のねらいどころは尻と足の付け根の中間らしい。
もう後戻りはできない。
観念してベッドにうつぶせになる。
いつも思うのだが、人間自分のみえない所を治療されるのは怖いのではないか。
自分だけかもしれないが、歯医者もそうだし、耳鼻科は恐ろしくて今でも、
「い、痛いですか?」(笑)
と聞いてしまう。
さて、しばらくすると奴の準備も完了したようだ。
針をつけ終わった注射器をブルブル震える手に持っている。
と、そこで、奴が今日一番分かりやすい英語で、
「アー ユー オーケー?」
おまえが一番オーケーじゃないっ!!!!
しかし間髪いれず奴は注射をさす。
「はうっ!」

こんな発声、漫画でしかみられんだろうという反応をしてしまった。
侍、一生の不覚・・・。
しかも強烈に痛いのだ。
注射をしおえた先生は満足げに薬を置いて帰っていき、家族も一安心とサンフランシスコへと旅立っていった。
しかし、注射された右足がものすごくいたい。頭も今だガンガンする。
もう、ねるしかない。
窓から洩れるアメリカのサンビームが、やけに目にしみた日であった・・・
To be continued・・・
*注意書きは先日と同様です。
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