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三夜連続放映 ~第二夜~

前回のあらすじ

「アメリカで挨拶に失敗した」


アメリカでの大いなる野望に破れ、リスを追いかけ回していた自分・・・。

部屋に戻り、シャワーを浴びてスッキリしたつもりなのに、何故かスッキリしない。

おかしい。これは何かおかしい。

そして午後、悲劇は起こったのである。


三夜連続放映第二夜     Attack the routed enemy (追い討ち)


寒気が止まらないのだ。

周りはみんな半袖なのにも関わらず。

そのうちそれは吐き気に変わった。

気持ち悪い。寒い。死にそう。

熱がでた。

そ、そんな!俺の侍スピリッツはそこまでダメージをうけていたのか!!

受け止めがたい現実・・・ しかし病気は止まらない。

ホテルに帰った瞬間にベッドに入るも、気持ちが悪いので中々寝付けない。


そして翌日。

父親は決断を下した。


置いて行こう

                 
                 置いてかれた。


a056.jpg

ただし、病状が病状だけに、ひとまず医者に見せてから行こうということになった。

父親が医者を呼ぶ。

普通なら旅の最中留守番なんぞ死んでもお断りなのだが、その時だけは「行ったら逝く」と思うくらいにやばかったので、納得した。

しばらくして、

「ブビーっ!!」

とアメリカちっくなチャイムがなる。

ドアが「キィ・・」と開いた。

そこから入ってきたのは60ぐらいのじいさん。

髪の毛は額がやや後退しているが、全体が真っ白。身長は170cmくらい、黒いコートに黒のズボン。
顔はしわくちゃだがかなりいかめしい。

死にそうな自分はリビングの椅子に腰掛けており、家族はその周りで緊張の面持ちで自分とじーさんを見ている。

こ、このシチュエーションは・・・

頭の中にあの物悲しい暗い旋律が流れる・・・

そう、映画「エクソシスト」の悪魔払いのシーンにそっくりなのだ。

こ、こええぇ。。。

ぼんやりする目だと余計じいさんが恐ろしくみえる。

じいさんはゆっくりこっちに近づいてきて、

「どかっ!」
「びくっ」(自分)

手にした使い古しの黒い鞄をテーブルに置くと、


「あべばひびばんびばぺらぺーら」


・・・わかんねっつの!!


父親が必死に俺の病状を説明するが(父親は話せる)、それでもじーさんは納得しない。


・・・な、何しにいらっしゃったんで?


と、おもむろにじーさんは


「んびば!んばらべーら。」


と受話器をとり、英語の話せる日本人看護婦を電話で呼びつけ、受話器を自分に渡す。

看護婦さんによると、この先生は患者から直接聞かねばすまない先生らしい。

空気よめよ!俺死にそうだっつの!!

無論当時は思っても言う気力もなく、とにかく早く楽になりたい(逝きたいわけではない)一心で、とにかくじーさんの言うとおり、看護婦さんに説明し、診察をうけた、

しかし先生、手が自分以上に震えてらっしゃる。

聴診器をあて云々の一通りの診察をしたのち、奴は鞄から袋に入った注射器を取り出した。

受話器の向こうから看護婦が、

「先生は注射しかないとおっしゃっています。指示に従ってください。」

と言ってきた。

そんなにやばいのかと逆に心配になるが、まぁ注射打てば治るだろうと腹をくくって腕をまくる。

しかし奴は、

「んびゃら!んびゃら!!」

と寝室をさす。

・・・嫌な予感がした。

しかたなく寝室へいくと、今度は、

「んびゃー!んびゃー!」

とズボンを下げるジェスチャーをする。

・・・予感が的中した。どうやら奴のねらいどころは尻と足の付け根の中間らしい。

もう後戻りはできない。

観念してベッドにうつぶせになる。


いつも思うのだが、人間自分のみえない所を治療されるのは怖いのではないか。

自分だけかもしれないが、歯医者もそうだし、耳鼻科は恐ろしくて今でも、

「い、痛いですか?」(笑)

と聞いてしまう。


さて、しばらくすると奴の準備も完了したようだ。

針をつけ終わった注射器をブルブル震える手に持っている。

と、そこで、奴が今日一番分かりやすい英語で、


アー ユー オーケー?」


おまえが一番オーケーじゃないっ!!!!

しかし間髪いれず奴は注射をさす。


はうっ!」

a022.jpg

こんな発声、漫画でしかみられんだろうという反応をしてしまった。

侍、一生の不覚・・・。

しかも強烈に痛いのだ。


注射をしおえた先生は満足げに薬を置いて帰っていき、家族も一安心とサンフランシスコへと旅立っていった。

しかし、注射された右足がものすごくいたい。頭も今だガンガンする。

もう、ねるしかない。

窓から洩れるアメリカのサンビームが、やけに目にしみた日であった・・・


     To be continued・・・

*注意書きは先日と同様です。

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